刑事事件

goto@ariakelaw.com
Q
1.急に警察から連絡があり、出頭するように言われました。逮捕されますか?

 まずは、警察に出頭の理由をしっかりと確認しましょう。
 警察は、「犯罪の証拠を集めること」と「犯人を発見して捕まえること」のために捜査を行っています。
 出頭の理由が、「犯人」と疑われているために、容疑者(被疑者)として話を聞くためであれば、出頭に応じない場合には、逮捕される可能性があります。
 一方、出頭の理由が、事件の被害者、目撃者、その他の事件関係者に話(犯罪の証拠)を聞きたいという理由であれば、逮捕されることはないです。
 ただし、いずれの場合も、警察に出頭を求められた日に仕事や他の用事があるような場合は、別の日時に変更してもらうことは可能です(任意の取調べ)。

Q
2.逮捕されたら、どうなりますか?

 捜査機関が、人の身体を拘束する方法として、逮捕と勾留の2種類があります。
 逮捕は、最大72時間(3日間)の間、警察署等で身体を拘束されます。
 まずは、警察の人に、弁護士を呼んでくださいと言ってください。弁護士が無料で直ちに駆けつけます(当番弁護士制度)。

 逮捕の間に、警察官や検察官による取調べがあります。
 警察官の取調べは、48時間以内に行われて、その後24時間以内に検察官からの取調べを受けます。検察官は、さらにあなたの身体を拘束する必要があると考えた場合、裁判官に勾留(最大20日間の身体拘束の)請求を行います。

Q
3.知り合いが逮捕されました。面会できますか?

 通常は、逮捕直後は面会できないことが多いです。弁護士は面会ができます。
 逮捕(72時間以内)後に、勾留(おそくとも4日後)の段階で、面会ができることが多いです。
 面会日は平日のみ、時間は午前9時〜午後4時頃(昼休みは不可)、1日1組(1組最大3名まで)で、事前予約などはできません。差入れは、持込み・郵送でもできます。*警察署によってルールが異なることがあります。

Q
4.勾留とは、どういうものですか?

 逮捕のあと、勾留された日から最長10日間身体が拘束されます。
 その間に捜査が終わらない場合、さらに最長10日間期間が延長されます(合計20日間)。
 勾留期間中も、警察官や検察官が取調べを行います。
 勾留期間(最大20日間)が終わるまでに、検察官は、あなたを刑事裁判にする(起訴)、あるいは、刑事裁判にしない(不起訴)かを決めます。
 起訴された場合、あなたは裁判所で裁判を受けることとなり、そのまま勾留(身体拘束)が続くことが多いです。ただし、起訴されたあとは、裁判所に保釈金を預けて、外に出ること(保釈)が許可されることがあります。

Q
5.被害者の方へ被害弁償や示談を行えば、刑事処分を受けずにすむのでしょうか?

 被害弁償や示談を行えば、必ず、刑事処分を受けずにすむというわけではありませんが、
 刑事処分を受けずにすむ可能性は高くなります
 一般的に軽微な犯罪で、前科のない場合は、被害弁償を行うことで刑事処分を受けずにすむことが多いです。

 覚醒剤事件などと違い、被害者の方がいる事件(傷害、窃盗、器物損壊、強制わいせつなど)の場合、加害者は被害者の方に生じた損害を賠償する責任があります(民事責任)。
 被害者の方に生じた損害についてお金を支払う(被害弁償)、お金やその他の条件を決めて示談書を交わす(示談)と、刑事事件の処分や処罰において考慮されることになります。

Q
6.罪を認めればすぐに出てこれるのでしょうか?

 取調べの中で、警察官から「早く認めれば罪には問わない、軽い処分ですむ、すぐに出してやる」などと言われたとしても、必ずそうなるとは限りません
 なぜなら、警察官にそのような権限はないからです。
 あなたを刑事裁判にする(起訴)、あるいは、刑事裁判にしない(不起訴)で釈放するかを決めるのは、検察官であり、警察官ではありません。

 そのため、わからないことや覚えていないことは、「わかりません」「覚えていません」と言いましょう。
 やっていないことは、「やっていない」と言いましょう。やっていないのに、「やった」と言ってはいけません。
 ずっと黙っていてもかまいません(黙秘権)。
 また、取調べで話したことを調書(書面)にするときには、間違いがあれば書き直してくださいと言いましょう、書き直してくれなかったり、言ったことと違う内容のままであったら、書面に名前を書いてはいけません。指印を押すことも断りましょう。

記事URLをコピーしました